寄付の仕方

 寄付には緊急性が必要なものとそうでないものがあります。趣味で集めたものや蔵書を寄付する場合は、それらが集積していることにも価値があるわけですから、しっかり貯めてから寄付すればよいと思います。しかし一般に寄付するものが金銭の場合は量より早さが大切なことがあります。

 最近も大きな地震で被害がありましたが、災害支援は言うまでもなく緊急性が必要な例です。また災害ではなくても、新興国などの医療や教育に対する援助にはスピードが必要です。10年間かけて貯めたお金を寄付したところで既に多くの命が失われているでしょう。少額でも構わないから、今日からはじめることが大切だと思います。

 「事業で成功したから地元に還元」という性質の寄付なら晩年に人生の決算としてなさるのもよろしいのでしょうが、それでも「教育や福祉に役立てて」などと言い出すものなら、私としては「遅いよ」と言いたい気分です。いや、それでもありがたいことですが。