控え室で待たないのですね

 「北海道の食材を用いたフレンチを東京でふるまっているシェフが、北海道のホテルに招かれて東京の店で提供している料理をこの北海道で再現する」という、私が書くとややこしくなる設定のイベントに参加してきました。
 東京の店のお客たちも「食材の生産者に会ってみよう」という名目で、バス1台分ほどの人数がいらしていたそうです。「北海道の食材を用いたフレンチを東京でふるまっているシェフが、北海道のホテルに招かれて東京の店で提供している料理をこの北海道で再現するディナーイベントに、東京でのなじみ客も参加している」という状態です。
 わざとややこしく書いてみました。

 本題はここからです。18時30分からイベントは始まりました。司会の方の進行で、会場ホテルの総料理長から今夜のメニューの紹介がまずあり、次にゲストシェフの紹介があったのちにディナーがスタートしました。
 料理は味もボリュームも十分な内容で、たいへんおいしくいただきました。
 そしてデザートとコーヒーがテーブルにほぼ行き渡った20時30分。再び司会の方の進行で、総料理長とゲストシェフ夫妻が道産食材での料理について語るコーナーがあり、それぞれの想いを伺って間もなく散会となりました。

 さてこの間の我々が食事を楽しんでいた約2時間ですが、司会の女性は食べるでも飲むでもなく何かを語るでもなく、ただ持ち場でライトを浴びたまま立ち続けていました。厨房内や給仕や生演奏の奏者の方々と比べても、もしかして一番辛いお仕事だったのではないでしょうか。