スーパーでポテトチップスをジャケ買いしました。厚かましい表情のくまが舌なめずりしていて、キャッチコピーは「“ザクギリ”カットで、パリっとおいしい!」。商品写真はいわゆる波形カットのチップスなのですが、それをザクギリと言うんですね。
チップス自体は「カルビー以外」によくある素朴な感じで、悪く言えばふた味ほど足りなく、良く言えばじゃがいもの味がちゃんとします。全体的にもの足りないと思わせておいて、局部的に塩味が驚くほど濃くてアクセントになっています。ほめてるんですよ。
製造者名がとても菓子メーカーとは思えず興味がわいてググってみたら、ドメインがkumachan.co.jpではありませんか。なにかを予感させてわくわくします。
そしてトップページから期待を裏切らぬ歓迎ぶり。トレードマークであるはずのくまが、異なるタッチで3種類もいるのです。それも素材集から持ってきたまんまのようなのまで混入。ある意味で強力にコーポレートアイデンティティを具現化しています。狙ってやっているならかなりの上段者です。
そしてページのメニューですが、上から[新着情報][商品情報]、そしていきなり[お申し込み]。何が申し込めるのか説明がないままリンクを進むと、単純に菓子の通信販売のコーナーでした。
商品紹介も手を抜きません。右矢印と[次へ]の文字に促され、感覚的には右へ右へと案内されている感じ。そして突然サラダ油を画面いっぱいのgif画像で紹介し、やっぱり右矢印で[元へ]。元へって表現は、はじめて見ました。右の無限ループ完成。楽しい。
結局私が買ったポテトチップスのパッケージ写真はありませんでしたが、制御しきれないレイアウトや、無意味なフォント指定、マウスを迷わすナビゲーションなど、「ホームページをホームページビルダーで作っていた時代」の景色がそこにはありました。
最後に新着情報をチェックすると、商品についてのお詫びでした。パッケージと中身が異なっているという食品メーカーだけにセンシティブな内容でしたが、私が当事者なら大歓迎のハプニングです。茶柱よりうれしいかもしれません。
話をポテトチップスのパッケージに戻すと、さりげなくしかし見落とさぬような位置にデザインされたこのセリフ。北海道民が旨いものに対して言う最上級のほめ言葉のひとつ「これは、うまいベア~」。くまちゃんブランドでこれを使わずしてどこで使いましょう。
これからも商品を買って応援します。深川油脂工業さん。
■深川油脂グループ
http://www.kumachan.co.jp/