PENTAX K-r がかわいいもんだから


ビルの谷間から薄曇りの空、飛行機雲を見上げて。1/500 F9.0 ISO100 K10Dを4年間ほど使っていました。

買い換えるほどの差が見つからなかったK20Dは見送りました。K-7にはぐらっときましたが、高感度性能の伸びが期待するほどではなさそうだったのでやめました。

K-5はさすがに考えました。AFが良くなって高感度もかなり使えそう。小さく引き締まったK-7の意匠は継承されているし。でも今ひとつ心が揺れずにいました。店頭で触ってみても、モノと波長が合いませんでした。

先日ウェブで偶然K-rが目にとまりました。先代K-xはエントリー機というだけでチェックしていませんでしたが、K-rの性能はK10Dでの物足りなさを解消してくれそうです。  そして何より、このカクッとしたカタチとカラーコーディネート。シルバーのボディにブラウンのグリップがかわいい。ほしい。その日のうちに発注しちゃいました。気に入らなければまたK10Dをメインに使おうと思って。

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学校の廊下から吹き抜けのホールを望む。1/400 F7.1 ISO1600 +0.7 届いたオーダーカラーの現物に触れての感想です。

プラスチックの質感はつるつるとしておもちゃっぽいので、クラスなりと割り切りが必要です。しかし触れるグリップ部分の質感が、ボディ部分の安っぽさを少しは忘れさせてくれます。

小さく削り込んでエッジを効かせた意匠が道具としての働きぶりを期待させます。

K10Dと比べるとずいぶんカジュアルダウンして、見ても持っても小さく軽くなりました。ちょっと持って出かけたくなるたたずまいです。K10Dのような重量感がないので、むしろ意識して握らないと手の中で遊ぶかもしれません。

ウェブで見る商品写真のシルバーは茶色がかった印象ですが、現物は我々がよく見かける一般的な銀色のプラスチックです。

でかい玉をつけると見た目のバランスが悪くなるけれど、愛用のDA40mmF2.8Ltd.となら好相性。こうなるとFA各種Ltd.のシルバーがほしくなって危険。


居酒屋でステーキサラダ。1/125 F3.5 ISO3200

動物園に放たれた乳牛。1/250 F5.6 ISO100 撮影機能も満足です。あくまでK10Dとの比較ですが、速いAF合焦、AF補助光と実用的な高感度画質、見やすく美しい液晶、使って楽しいライブビュー、遊べそうな画作り機能。4年でずいぶんと進化していました。

K10Dでは暗所で上げたISOを戻し忘れて、明るい場所なのにざらっとした画を撮ってしまう失敗をよくしました。K-rでは撮影はAUTO PICTに任せて、人間は遊んだり食べたりに集中できそうです。ISO3200くらいでしたらパソコンのスライドショーで観てもL版サイズでプリントしても、ノイズは気になりません。

カスタムイメージのリバーサルフィルムは、小旅行や学校行事などの撮影でも常用できる画像処理です。彩度とコントラストが強調されて、ちょうど脳内で誇張された思い出のシーンといった趣の画が残せます。そういう意味では人間の記憶に近い画像なのかもしれません。

またおもしろいのが銀残しです。窓からの光が差し込む室内や照明が鋭く当たった静物など、もともとコントラストが高い被写体に使用するとより印象深い画になります。リバーサルフィルムとは反対に、人間が探りながら記憶を補完していくような、懐古的な写真に仕上がります。

コンパクトデジカメにもの足りなくなったときに、レンズ交換の楽しみを手軽に味わいたいときに、自分だけのお気に入りがほしいときに、K-rはオススメできます。デザインも撮影機能も道具として使い込む楽しみが詰まったよい機械だと思います。また4年はこれで遊べるかな。

(4点の画像は私が撮影した実写サンプルです。オリジナルのJPEGにリンクしています)