暗号通貨Zcashのマイニングコスト

ビットコインなどの暗号通貨がなぜ価値を保てるのかという考察での必要条件のひとつに、マイニングコスト(報酬を得て仕組みを維持するコスト)が挙げられます。一万円札が道ばたにいくらでも生えていたり空からエンドレスで降り注いでくれば、誰も商品やサービスの対価として一万円札を受け取ってはくれません。

BitcoinやMoneroなどはPoW(Proof of Work)というルールで維持されていますが、これには継続して電力が必要となります。ZcashもPCで簡単にマイニングできる暗号通貨のひとつですが、具体的にどれくらいの電力を消費しているのか確認してみます。

結論を最初に書いておくと、PCマイニングではビデオカードの全力で掘りにいくよりも稼働電力を抑えることがお勧めです。

GPU0;GTX1070 GPU1;GTX950 GPU2;GTX1050 GPU3;GTX1050Ti

■Afterburner | MSI Global
https://www.msi.com/page/afterburner

■EWBF’s Zcash cuda miner
https://bitcointalk.org/index.php?topic=1707546.0

設定をする際には、ビデオカードの認識順序がOSとEWBF’s Zcash cuda minerとでは異なることがあるので注意してください。

GTX1070;439 H/s GTX950;114 H/s GTX1050;149 H/s GTX1050Ti;165 H/s

4種類のビデオカードを接続してコアとメモリ共におよそ10%クロックアップした状態です。400Wの消費電力で平均して860 Sol/sの解決力(Solutions per second)です。

860H/s 400W $0.3/KWh

次にクロックアップはそのままに、パワーリミットを30%ほど下げてみます。当然ハッシュパワーは落ちますが、それ以上の割合で消費電力が大幅に低下します。

GTX1070;390 H/s GTX950;113 H/s GTX1050;129 H/s GTX1050Ti;139 H/s

消費電力は300Wと25%削減できていますが、ハッシュパワーは770 Sol/sとおよそ1割の低下ですんでいます。

770H/s 300W $0.3/KWh

今回の記事では消費電力量あたりのコストを$0.3/KWhとして計算してみました。エネルギーコストが高い日本での暗号通貨採掘は、この程度の工夫では勝ち目はなさそうです。

■Zcash Mining Profitability Calculator
https://www.cryptocompare.com/mining/calculator/zec

GPU別のワットパフォーマンスではGTX 1070が圧倒的に有利です。なお今回は採用していませんがイニシャルコストを抑えるならGTX 1060 3GBもよいと思います。リセールバリューも考えながらパーツを集めて遊んでみませんか。

マイニングプール(共同採掘場とでも思ってください)の使用料1%やマイニングソフトウェアの開発報酬2%も計算に入れると、赤字必至の遊びです。