寄付の集め方

 真夏の炎天下や寒風吹きすさぶ真冬の屋外で声をからしている人たちには頭が下がります。しかしショッピングセンター出入り口の風除室などで談笑しながら待ち構えているのは、どうも好感が持てません。最終的に必要としている人のところへ必要な額が届くなら、どんな経緯で集まったものでも構わないという気持ちにはなれないのです。

 例えばある時などは、わざわざ風船をたくさん用意して募金活動をしていました。事情を何も分からない娘は風船がもらえることを経験的に期待して近づいていくわけです。その日は娘自身の小遣いで何かを買おうと店に行ったのですが、よほど娘のいちご柄の財布から小銭を渡して風船をもらい「お金入れちゃってお買い物できなくなったから今日はもう帰ろうね」と言ってきびすを返してやろうかと思いました。

 寄付をそこで呼びかけている人と場所を演出している人は違うかもしれないのでそこまでいやらしいことはしませんでしたが、もしそれを試していたら、おまけで釣るようなやり方の浅ましさに気づいてもらえたでしょうか。

 遠回りのようでももっと本質的なところを訴えて動機付けしないと、いつまでも根付かないと思うのですが。それともやはり、場当たりでも集まりさえすればいいものなのでしょうか。