痛々しいおやじに居合わせる

 ホテルの和食処で食事をしていたら、近くの席に甚平姿で金縁メガネのおやじがどかりと座りました。「燗酒」。食事のオーダーは「早くできるのどれだ」。
 態度も横柄なら、スタッフを呼ぶのも「おい!」ですし。さらにちょっと酒の出てくるのが遅いと「燗酒を買いに行ってるのか?」とオヤジギャグ。あげくに携帯電話で話しだすなど、マナー無用の恥ずかしい振る舞い。公共マナーがドラマ仕立てで学べるDVD(おこさま向けならこどもチャレンジとか)の悪い例の俳優の演技を、ライブで見ているようなこっけいさでした。

 痛々しいというか、お気の毒というか、ある意味で幸せな人というか。「またお待ちしております」と見送られて、ご機嫌でお帰りになりました。