QNAP Turbo NAS iSCSIストレージにOS Xをインストールする – 第4話 – 応用編

QNAP Turbo NASにiSCSIストレージを設定して、そこにOS Xをインストールするという夢のお話しも、とうとう最終回となりました。

iSCSIを使うメリットは、NASというPCとは物理的に離れた外部にありながら、ローカルディスクと同様に扱えることにあります。NASを利用することでディスク台数や容量の追加、バックアップなどの管理も容易になります。

簡単にディスクが追加できるので、複数のディスクをマウントしてそれぞれにOS Xをインストールし、マルチブートを試してみました。

El Capitanのシステム環境設定からは、自由に起動ディスクが選べます。しかしSnow Leopardからは最近のバージョンのOSを起動することができません。そこでVMware PlayerのBoot Managerで、起動するディスクを選ぶ方法もご紹介します。

まずBoot Managerを起動しやすくするために、ポストスクリーンに待ち時間を設定します。.vmxファイルに一行加えてください。キーを押すために1000ミリ秒待ってもらいます。

bios.bootDelay = "1000"

仮想マシンを起動してVMwareのロゴが出たら、Escキーを押してBoot Managerに入ってください。上手くいかない場合は再起動をしてキーを押すタイミングを試行するか、そもそも仮想マシンにキーがフォーカスされているかをご確認ください。

Boot Managerに入れたら、あとはカーソルとEnterで起動ディスクを選ぶだけの簡単操作です。どのディスク番号にどのOSバージョンをインストールしたかはご自身で管理してください。ちなみにこの例ではHard Drive (0.0)がSnow Leopard Serverで、Hard Drive (1.0)がEl Capitanです。

iSCSIストレージは物理的なディスクのつけ外しの必要がないので、気軽にいろいろと試してみることができます。OS Xをいくつもインストールしてみました。

次回起動時にBoot Managerが開くようにもできます。次の一行を.vmxファイルに加えてください。Escキー待機が不要になります。Onceですので一回限りです。

bios.forceSetupOnce = "TRUE"

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これまでは旧バージョンのOSを踏み台にして新しいOSをインストールしてきましたが、ここでiSCSIストレージ上にクリーンインストール用のメディアを作ってみます。

QNAP Turbo NAS OSにログインして、これまで同様の手順でLUNを追加します。わかりやすくInstallMediaと名前をつけました。容量は8GBもあれば十分です。

インストールメディアは、OS X インストールappに内包しているcreateinstallmediaコマンドで作成できます。稼働しているOS Xに8GBのLUNをマウントしてインストーラーの書き込み先にします。具体的な作り方は、アップル公式のサポートサイトで説明されていますので割愛します。

sudo /Applications/Install\ OS\ X\ El\ Capitan.app/Contents/Resources/createinstallmedia --volume /Volumes/InstallMedia --applicationpath /Applications/Install\ OS\ X\ El\ Capitan.app

ただしこのcreateinstallmediaコマンドはSnow Leopardでは動きませんのでご注意ください。

こうしてできたインストールメディアは前述したBoot Managerから起動することができますので、空のドライブと一緒にマウントしてクリーンインストールに使えます。

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次にシンプロビジョニングの実験です。QTS Turbo NAS OSにログインし、8TBの物理ディスク2台でも作れない20TBを割り当ててみます。

Windowsのディスク管理でGUIDで初期化しVMware PlayerでOS X仮想マシンにマウントします。OS Xを立ち上げて問題なくパーティション設定ができました。

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iSCSIストレージにTime Machineを設置したり、iSCSIストレージ上で納得するまで作り込んだ環境をPCローカルの仮想ディスクに移したりと、夢は広がります。iSCSIに対応したNASは、夢見人のマストアイテムかもしれません。

さてそろそろ夢から覚める時間です。みなさんおはようございます。ごきげんよう。