正しい動機と納得と

 昨日に続いて思い出した古い話。

 その街では、名士と呼ばれる地元経済界有力者たちの間で、地域興しとしてとある文化事業の立ち上げ話が盛り上がっていました。文化振興、社会貢献、大いに結構。みんなで汗を流して成し遂げようということになりました。

 有力者たちはこのすばらしいアイデアを、取引業者や下請け各社に語って協力を求めました。社会貢献ですから手弁当。それぞれの業者の業態に応じて、人を出せぬか物を出せぬかと要望がきます。
 優位的立場にある元請け会社から社会貢献をかざして要求されれば、断れるはずもありません。業者は苦しい懐事情をやりくりし、ふつふつと心中に湧く不満を抑え込みながらこの社会貢献活動に協力。その文化事業は表向きには大成功を収めましたとさ。

 地域振興としてこれは本当に成功だったのか。そうでないならどうすればよかったのか。